マイダーツはここから始まる!自分に合った最高のバレルを見つけよう!バレルの選び方
2018.11.5ダーツ知識
バレル(Barrel)はダーツを構成するパーツの一つで、金属で出来た筒の部分です。
セッティングした時に握る部分でもあり、素材・長さ・太さ・重量・カット(バレル全体に施された刻み)の違いでとにかく多種多様な種類があります。
自分の手に合ったダーツを探すには中々に大変な事ですが、バレルはダーツアイテムの中でも重要なパーツのため、妥協せず自分に合うバレルを探してみましょう。
素材
タングステン(Tungsten)
バレルの素材として最も一般的な物です。
タングステンは比重が重いのが特徴で、同じ質量であれば鉄の2.5倍、鉛と比べても1.7倍もの重量があります。
そのため、複数の素材で同じ重量のバレルを作った場合、他の素材で作った物と比べてタングステン製は細くなる傾向にあります。
バレルが細くなるという事は、的の狭い箇所に3本の矢を集中させる事が多いダーツでは有利に働く要素ですが、始めてダーツをプレイする方や、慣れていない初心者の方にとっては細すぎて握りにくい印象を持ってしまうかもしれません。
希少鉱物(レアメタル)に分類されているという事もあり、タングステンを素材としたバレルはやや高価になりがちなので、始めてダーツをプレイする時は、コストパフォーマンスに優れたブラスダーツをオススメします。
ブラス(Brass)
タングステンに次いで広く普及している素材で、黄銅(おうどう)又は真鍮(しんちゅう)とも呼びます。
ブラスは比較的軽い金属のため、ブラスダーツはある程度重さを出す為に太く作られている物が多く見受けられます。
タングステンの項で述べたように、太いダーツはグルーピングの面で不利になるという欠点がありますが、まだダーツに慣れていない初心者の方にとっては、握りやすく投げやすい仕様とも言えます。
そして何より、ブラスダーツはタングステンダーツと比べて圧倒的にコストパフォーマンスに優れている(価格が安い)ので、ダーツを始めたばかりの初心者の方にオススメです。
チタニウム(Titanium)
ダーツバレルの素材としては滅多に使われませんが、比重が鋼鉄の約55%軽く、それでいて高い強度を持つ優れた金属です。
チタン自体は製錬・加工が難しく、費用もかかるため大量に使われる事はあまり無く、ダーツでもシャフト等の比較的小さな物に使われている程度です。
しかし、バレルにも全く使われないという事は無く、TIGA(ティガ)から発売されているバレルの「FUSION(フュージョン)」シリーズは、バレルの後部をチタニウム製にする事で新たな前重心バレルを作るという、新しいタイプになっています。
また、チタンは焼き色を付ける事で画像のような独特の配色が出来るのも特徴です。
ステンレス(Stainless)
素材としてはブラスよりも軽く、硬度はブラス以上タングステン以下となります。
ブラスよりも軽い素材なので、ステンレス製のバレルは単体重量が一桁になってしまう事も多く、ある程度の投げ易さが得られる重量のバレルを作る場合は、ブラス以上に長く太くなります。
ただ、軽いバレルはグリップやスローの指離れがしっかりしていないと真っ直ぐ飛ばないので、フォーム矯正や練習の一環として用いるプレイヤーも見られます。
どちらかというと、ステンレスは軽さと丈夫さを活かしてコンバージョンポイント等の素材として用いられる事が多いようです。
アルミニウム(Aluminum)
ステンレス以上の軽さを持つ素材で、これを素材として作られたバレルは単体重量が5gにも満たない物が殆どです。
ステンレスの項でも述べましたが、軽いダーツという事で練習の一環としては使えるかもしれませんが、現状では製造しているメーカーを殆ど見られません。
こちらもステンレス同様、他パーツの素材として用いられる事が多く、特にアルミ製のシャフトは一般的なナイロンシャフトと人気を二分するほどです。
形状
ストレート(Straight)
文字通り、刻みによる凸凹を除いたバレル全体のアウトラインが真っ直ぐのタイプです。
細めのバレルが多く、代表的な3つの形状の中では最もグルーピングで有利と言えます。
重心はセンター(中央)付近が一般的で、バレル全体のバランスが平均的な為スローがしっかりしていないと真っ直ぐ飛ばず、慣れないうちは投げ辛く感じるかもしれません。
しかし、平均的なバランスという事はクセが無いという事でもありますので、慣れれば自分の思い通りに飛ばす事ができるでしょう。
トルピード(Torpedo)
Torpedoは「トルペード」「トルペド」とも読みますが、魚雷の意です。
その名前の通り、前方から後方に掛けて少しずつ細くなっていくような形状で、前重心タイプが主流です。
ストレートタイプよりも比較的重心がハッキリしているので、グリップする時に同じ持ち方になりやすく、また前重心は「力が伝わりやすく、スッと飛ばせる」「弧を描いてキレイに安定して飛びやすい」等の理由から、初心者の方にもオススメとされています。
砲弾(Cannonball)
トルピードをより極端にしたような形状で、文字通り砲弾のような太さと短さのバレルです。
トルピードよりも重心位置が分かりやすく、玉を投げるような感覚で飛ばせますが、その太さ故にグルーピングでは不利になりがちです。
太く短い形状からバランスが取りやすく、投げ易さという意味では初心者の方にオススメです。
その他(Other)
上記の形状どれにも当てはまらず、メーカーオリジナルの独特な形状です。
拳銃の弾装のような形状や、コインのように薄く円い形状等、普段のダーツではまず目にしないタイプですが、パーティなどで使ってみると盛り上がるかもしれません。
刻み
シャークカット(Shark Cut)
横から見るとカタカナの「レ」のような形状をした鋭いカットで、最も指への引っ掛かりが強く、投げる力を余さずダーツに伝える事ができます。
エッジが効いているのでスロー時に滑る事が無く、飛びの良さは様々なダーツの中でも一番と言えるでしょう。
但し、掛かりが強すぎるため合わないという方も居ますし、掛かりが強いという事はカットの消耗も早いという事でもあります。
特に、カットの消耗に関しては、最も掛かりの強いカットだけに大きな違和感を覚えてしまうかもしれません。
リングカット(Ring Cut)
最も一般的と言えるカットで、横から見たときにU字のような形状をしています。
程々の指への掛かりと、シャークカットに比べてカットの劣化も緩いので、ダーツを始めたばかりの方にオススメです。
また、リング一つあたりの幅を細くして間隔を詰めた「ダブルリングカット」や「トリプルリングカット」というタイプもあります。
ウィングカット(Wing Cut)
シャークカットと似た形状をしていますが、カット後半が鋭くなく、やや緩やかなになっています。
シャークカットでは指への掛かりが強すぎて気になるという方は是非試してみて下さい。
ピクセルカット(Pixel Cut)
バレルに一本の刻みを入れるのではなく、点として入れられた新しいタイプのカットです。
カットのどの部分を握っても安定したグリップができ、投げる時の指離れも必要以上に掛からない為、安定したスローが出来ます。
また、TARGET(ターゲット)から発売されている「Carrera AZZURRI(カレラ アズーリ)」シリーズや、ワールドチャンピオンで有名なフィル・テイラーモデル「POWER(パワー)」シリーズは、ピクセルカット部分に綺麗なブルーチタニウム加工が施されており、デザインの面でも大人気です。
ノーグルーブ(刻み無し)
あまり見られないタイプですが、文字通り刻みの無いバレルです。
刻みが無い事からカットの劣化を気にする必要は無く、寿命は最も長いと言えます。
但し、カットが無い=指への掛かりが全く無い為、スロー時の指抜けは最も自然になりますが、それ以上にプレイヤーの投げ方や力加減が特に重要になります。
また、手汗等で滑ってしまいやすいので、その点でも注意が必要です。
ストーンカット(Stone Cut)
カットというよりは、加工の一種と言えるかもしれません。
他バレルでカットにあたる箇所が、ヤスリのようザラザラした状態になっていますが、これは砂や石で意図的に荒らす加工で、カット同様に滑りにくくするための物です。
これ単体のバレルは殆ど無く、どちらかと言うと他カットの補助として併用されるような使い方が多いようです。
ダイヤモンドカット(Diamond Cut)
ハウスダーツでよく見かけるカットですが、タングステンモデルで使用される事もあります。
指の掛かり具合はリングカットのシングルよりも小さく、カットの無いノーグルーブよりは掛かる程度です。
バレル全体に満遍なくカットが入っているため、カットを当てにグリップを安定させるのは難しいかもしれません。
規格
2BA
ソフトダーツとして最もポピュラーな規格で、バレル側が凹、チップ側が凸となっており、バレルにチップを差し込む仕組みになっています。
4BA
2BAと逆の規格で、バレル側が凸、チップ側が凹になっており、バレルにチップを被せるように装着する仕組みになっています。
2BAのバレルでは空洞になる先端部分から、その先までバレル素材(主にタングステン)で埋まっている為、4BAのバレルは前重心になりやすい構造と言えます。
※バレルの重心はバレル内部の空洞部分でも調整されますので、4BA全てが前重心とは限りません。
ハードダーツからソフトダーツに移行したプレイヤーには、先端のポイントまで金属で出来ているハードダーツに間隔が近い4BAが好まれやすいようです。
No.5
No.5(ナンバーファイブ)は、2013年にバレルメーカーの「MONSTER(モンスター)」と「L-style(エルスタイル)」が共同開発した、新しいダーツの規格です。
2BAと同様にバレル側が凹、ティップ側が凸のネジ穴タイプですが、ネジ部分の径が1.6mm程細くなっています。
ティップのスリム化から4BAに近いグルーピング性能を実現し、バレルデザインの自由度も高いため、今後に期待されている規格です。
1/4
1/4は、主にハウスダーツ使われる規格です。
ネジ穴は2BAやNo.5と同じくバレル側が凹、チップ側が凸となっていますが、ネジの径が2BAよりも更に太くなっています。
ハウスダーツは基本的にブラスダーツが多く、ブラスはタングステンと比べて比重が軽いため、ある程度投げやすい重量を確保する為にはどうしても太く、長くなってしまいます。
太くなったバレルに通常の2BAティップでは径が合わず、そのままではバレルとティップの接点に段差が生まれてしまいます。
※上記は直径による例えであり、1/4規格に2BAのティップは装着出来ません。
1投目はあまり気にならないかもしれませんが、段差があると2投目以降のダーツが先に刺さった1投目にぶつかり、弾かれが起こってしまいます。
その問題を解決するため、1/4は通常の2BAよりも太めに作られており、バレルとティップの段差を小さくしています。